オーストラリア高校留学
オーストラリアの教育制度は各州によって若干異なりますが、日本の小学校1年はYear 1、高校1年生がYear 10に相当します。義務教育期間は学年ではなく6-15歳(タスマニア州は6-16歳)という年齢で定められており、一般的にはYear 10で義務教育を修了します。
大学などへの進学希望者はYear 11-12に進み、将来希望する専攻に応じた科目を選択します。オーストラリアには入学試験はありませんが、進学希望者はYear 12修了前に各州の「統一高等学校資格試験」を受験して高校修了資格取得し、試験の成績に応じて希望の高等教育機関に進学します。
オーストラリアの高校の種類
オーストラリアの高校は、日本と同じく公立(州立)と私立がありますが、公立高校が約7割を占めています。
公立高校のほどんどは共学校ですが、私立高校の約1/3は男子校または女子校です。そして、基本的に公立高校には宗教色はありませんが、一方で私立高校にはカトリック教などの宗教系の高校も数多くあります。
オーストラリアの高校は、公立、私立を問わず、各学生の個性を伸ばすユニークな教育を推進しています。最近は音楽やスポーツ、科学など、専門的なコースを開講する高校も増えています。
1クラスの学生数は約20-30人。学校は9時頃に始まり15時頃に終了します。放課後の部活動や清掃などはなく、スポーツやお稽古、クラスメイトや家族過ごしたりします。大学進学を目ざすYear 11-12の学生は、宿題などが課されるため放課後も学習しています。
オーストラリア高校留学の準備
1
留学プランを家族としっかり話し合いましょう。2
短期体験留学や1年留学、卒業留学など具体的にプランを決定しましょう。3
信頼できる留学エージェントを探しましょう。4
成績証明書等の手続に必要な書類を準備しましょう。5
ビザ申請必要書類を準備してビザの申請をしましょう。6
ビザ発給後は海外旅行保険や航空券など、渡航に必要な準備をしましょう。
オーストラリア高校留学詳細
オーストラリアの高校選びのポイント
オーストラリアでは、小学校、中学校、高校といった区分けはなく、Year 1-6がPrimary School (プライマリースクール)、Year 7-12がSecondary School (セカンダリースクール)と呼ばれています。日本人にとっては、Year 10-12がオーストラリアでの高校留学に相当します。
そして、学生の希望によって公立高校と私立高校を選ぶポイントは異なります。
学力面では、高校最後の年に行われる学力テストの平均点や、大学への進学率・進学先などを基準に学力の高い高校を選ぶ学生がいます。
一方、留学生用の英語コースの有無や留学生の数、日本語授業の有無、音楽やスポーツ、芸術などに力を入れている高校、共学校・男子校・女子校などを基準に選択する学生もいます。
公立高校と私立高校の違い
公立高校と私立高校にはそれぞれの特徴があります。
公立高校は、私立高校よりも経済的に済むことが大きな特長です。公立高校といっても進学率が高い高校やスポーツなどが盛んな高校もあります。公立高校に留学する際は、手続き時に志望校6校を志望校順に選択する必要があるため、複数の高校を事前に確認しておくことが重要です。そして、公立校は学生の受入状況により、第1志望の高校に入学できないこともあります。
私立高校は、日本と同じく公立校よりも授業料が割高が、手厚いサポートが特長です。共学校ではなく、男子校・女子校の高校も多く、音楽、芸術、スポーツなどにも積極的に力を入れており、特別授業を行う高校もあります。
学校一例
オーストラリアの高校は4学期制です。新学年は1月末-2月初めに始まり、12月中旬に終了します。
各学期は約2ヶ月半。学期間の休暇は2-3週間ですが、学年末から新学年の夏休みは1ヶ月半ほどあります。
※3学期制のタスマニア州はスケジュールが異なります。
St. Michael Grammar school メルボルン郊外にある1895年に設立された伝統ある公立の共学校です。日本の小学校1年生に相当するYear 1の前のPreparatory Year (準備学級)からYear 12まであり、レベルの高い教育を提供しています。優秀な学生には科学、数学、人文学系で特別集中コースの開講や、メルボルン大学・モナッシュ大学の1年生の教科を前倒しで学習できる制度など、個々の学生の能力を最大限に引き出してくれます。Year 9からは企業ベースのソフトウエアに関する授業も行われ、将来を見据えたカリキュラムが組まれています。また、演劇・音楽・スポーツなども力を入れており、各分野で優秀な成績を収めています。 |
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Melbourne Girls Grammar メルボルン中心部から約10分の高級住宅街サウスヤラにある1893年設立の名門私立女子校です。積極的に留学生も受け入れています。幼稚園からYear 12までの一環教育で、高い教育水準によって優秀な学生を毎年数多く排出しています。高校生最後の年に行われる学力テスト(VCE)の結果でも、現地学生、留学生に関わらず高い点数を獲得しています。 |
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入学資格とYear 11-12の科目
大学などへの進学希望者はYear 11-12に進学し、将来希望する専攻に応じた科目を選択します。
オーストラリアの高校では、様々な科目を開講しています。
国語(英語)、数学、社会、理科、外国語、体育はもちろん、環境学やコンピューター、技術、家庭科、音楽、芸術、演劇などの授業もあります。特に外国語は、多民族国家であるオーストラリアならではの様々な言語のコースがあります。
高学年になると学生の希望に応じて選択科目を受講することが中心となり、将来の進学や就職を見据えた実用的な科目が増えてきます。
入学資格と科目の詳細
入学条件
一般的に、日本の中学での成績と英語力によって入学可否が決定されます。成績は目安として5段階評価で平均3.0以上が必要ですが、3.0以下でも受け入れてくれる場合もあります。英語力が基準に満たない場合は、高校の英語コース、または志望校が指定する語学学校の高校進学準備コースを入学前に受講します。
英語のトレーニング
オーストラリアのすべてのセカンダリースクールが留学生を受け入れているわけではありません。一般的に母国とオーストラリアの教育年数は同一とみなされるため、日本の中学を卒業した学生はYear 10に入学します。ただし、他の学生の教育水準の維持のために、留学生も授業に付いて行けるよう、入学の際には一定の英語力が要求されます。目安としてTOEFL (iBT) 61点以上、IELTS 5.5 - 6.0が必要とされます。英語力が基準に満たない学生は、入学前に留学生用の英語コースを受講します。
Year 11-12の科目
Year 11-12で受講可能な選択科目は各高校によって異なります。専門学校と提携している高校も多く、これらの高校では専門学校がデザインした専門的なコースを受講できます。
選択科目一例
ビジネス:法学、経済学、ビジネス学、会計学
科学:化学、物理、生物、農業、数学
デザイン:建築、インテリアデザイン、ビジュアルデザイン
工学:工学、エレクトロニクス技術、情報科学
人文:環境学、地理、歴史、社会学、先住民(アボリジニ)学
芸術:宗教音楽、芸術、演劇、ダンス
家政:家政学、栄養学、服飾デザイン、保育
外国語:日本語、中国語、韓国語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、ロシア語、ギリシア語、アラビア語など
その他:法学、経済学、ビジネス学、会計、国語(英語)